令和4年度 南海少年寮 事業計画
Ⅰ.令和4年度基本方針
令和元年から、新型コロナウイルス感染症拡大防止に関する様々な対応が年間を通して必要であった。特に昨年度後半からオミクロン株に置き換わり、幼児や小中高生に感染者が増加したため、より慎重な判断や対応が求められた。そのため、児童および職員の行動制限や、保護者との面会・外出・外泊等も制限することが多くなり、それぞれにストレスも多くあったと思うが、協力をいただき感染者を出さずにきている。しかし、計画的な保護者と児童との交流計画にも支障が出ており、課題となっている。
令和4年度も同様な状況が予想され、新たな変異株の感染拡大も考えられる。今年度もより感染防止に力を入れ、児童はもちろんのこと、その児童を支援する職員を含め適切な対処をおこない、安全・安心の確保を最優先としたい。しかしながら、これからも続くことが予測され、制限のみでは様々なことが停滞してしまうことから、順次更新されていく情報やエビデンスを収集し、ウイズコロナの対応を模索しながら進めていく必要がある。
次に、南海少年寮社会的養育推進計画を進めていく上でも新型コロナウイルス感染症が影響を与えているが、その中でも進めていかなければならないことである。昨年度、計画に基づき、短期計画および中期計画として取り組むべきことを重点事項としてあげていたが、感染拡大により会議の開催制限もあり進んでいない。これもまたウイズコロナの対応を工夫し、進めていかなければならない。もう1年概ね同様の計画で進めていき、進み具合により来年度に短期計画および中期計画の見直しをおこないながら、年々積み重ねていくことによって南海少年寮社会的養育推進計画を達成していきたい。
小規模化に向けても、職員の資質向上および権利擁護推進においても研修への取り組みは重要である。施設外研修は新型コロナウイルス感染拡大防止のためほとんどがオンラインになり、参加しているものの施設内へ反映させることが課題である。施設内研修ともリンクさせながら工夫しつつ、独自に作成したアセスメントシートを生かしながらケース会や施設内研修に取り組んでいきたい。
新型コロナウイルス感染症拡大により、研修会や諸会議に影響があることも予想され、限られた中でも研鑽を積み職員一人一人の資質向上、権利擁護推進の積み重ねをおこないたい。
Ⅱ.重点事項、具体的取り組み
① 新型コロナウイルス感染予防対策
※新型コロナウイルス感染症に関する最新の情報やエビデンス、国・県の施策等の情報収集を常におこない、必要と思われる対応は迅速に対処していく。
※高知県の「感染症対応の目安」におけるステージの変化や最新の状況等に応じて、児童や職員の対処方法を明確にし、保護者への依頼も電話連絡や必要に応じて明文化し十分な理解をしてもらえるように努める。
※マニュアルを必要に応じて随時見直し、マニュアル作成だけで終わるのではなく、職員が理解し身につけることが出来るよう努める。
※感染予防に関する補助金を有効に利用して、最新の状況に応じた必要な物品の整備、各種衛生用品の在庫管理をおこない不足が出ないよう備蓄用の購入もおこなう。
※検温やマスク着用、手指消毒の徹底は習慣付いてきているが、不十分な点もあり油断することなくしっかりと継続していく。
② 社会的養育推進計画の推進
南海少年寮社会的養育推進計画を着実に進めていくために、優先順位をつけ短期計画(概ね1~2年)と中期計画(概ね5年)を定めて取り組んでいく。(2年目の実施)
短期計画
※今後の施設の目指す姿を明らかにするため、根本となる法人の理念・基本方針等を見直し、職員への浸透を図っていく。またその中で、求められる職員像も明らかにしていく作業をおこなう。
※小規模化への概要を取りまとめ、どのようなものにしていくのか職員が共有できる形を整えていく。
中期計画
※将来を見据えた施設の組織体制や業務内容を整えていくため、運営規程の見直しに取り組み、各職務の明確化や業務に必要なことを整えていく。
※分園型小規模グループケアの実施に向け、必要な人員配置・勤務態勢・必要なスキルと共に必要な研修・食事の提供体制・専門職との関わり方・本園との連携の仕方・小規模グループへのサポート体制のあり方・基本的な児童の支援方針等の取りまとめ作業をおこなっていく。
※同様に分園型小規模グループケアの実施に向け、必要なハード面(居室・ダイニング・キッチン・風呂・職員部屋等)の取りまとめ作業をおこなう。
また、老朽化している施設内小規模グループケアの対応と、新たに実施する分園型小規模グループケアのスケジュールの検討をおこなう。
分園型小規模グループケアの実施に向け、土地や借家(改築可能な物件)の情報収集をおこない、可能性のあるところは打診していく。
昨年立ち上げた小規模化検討チームを中心に、調査(情報収集や見学、小舎制養育研究会の活用)、検討等をおこなっていく。コロナ禍の中で見学等は難しいことも多々あると思われるが、推移を見て少しずつでも進めていく。
この小規模化検討チームは検討状況や進行状況により、外部を含めた必要な人材を随時加えていき、分野によって分けていくことを想定している。
また、検討した内容で可能なものは、既存の施設内小規模グループケアで取り入れて検証をおこなう。
なお、中期計画であるから分園型小規模グループケアは5年間実施しないというのではなく、進行具合や諸条件が整えば実施も視野に入れておく。
③ 権利擁護推進への取り組み
※職員の経験年数や職種、課題、継続的な職員育成等を視点に、施設内及び施設外の研修(実施されるか不透明な点もあるが)を計画におこなっていく。また、オンライン研修のフィードバックの方法を検討していく。
※独自に作成したアセスメントシートを活用しながら、ケース会や施設内研修をおこなっていく。
※研修計画や研修の実施、ケース会、処遇検討委員会等の取り組み等を整えていき、一定の体系の作成ができれば、再発防止委員会の報告取りまとめをおこなわなければならないが、新型コロナウイルス感染拡大により整っていない。しかし、少ずつでも進めていき入所児童に対する適切な支援体制の構築に向けた対応を進め、権利擁護推進の積み重ねをおこなっていく。
※グループ活動において、児童との話し合いの場を増やして、意見を取り入れながら主体的にグループ活動をおこなっていくよう努める。また、グループ活動だけでなく、生活の場面で児童が声を出しやすい状況や、早い対応がおこなえる体制を整えていく。グループ活動は、昨年度新型コロナウイルス感染防止のため計画を立てることが困難であったが、今までの活動を踏まえて、よりグループ活動の中身を工夫して計画性を持ち、各グループ間の調整を十分に図りながらおこなっていく。
※職員の補充を図り、さらに加算職員・小規模化へ向けての増員も視野に求人活動を進めていく。
⑤ 地域貢献とそのための具体的施策の検討
※例年実施してきた南少夏まつり、参加してきたみさとフェア、地域活動や行事等は、昨年度も新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となった。今後も、コロナ禍の中で夏まつりを同様な形でおこなうのは難しい状況であるが、ウイズコロナの中で新たな地域との関わりの形を考えていく。
PTA、青少協、三里みらい会議等への協力などは、引き続きおこない地域との関係を大事にしていく。
※防災行事等の実施と共に備蓄品を充実させていき、地域との連携や体制つくりなどの取り組みは、可能なものは引き続き実施していく。
※社会福祉法人として地域における公益的な取り組みを実施する責務があり、どのような取り組みをしていくか課題であるが、創設時から参加している高知市社会福祉法人連絡協議会の会員として、その活動に取り組んでいく。
Ⅲ.主な事業
① 年間を通しての事業
(1)子育て短期支援事業 (各市町共に委託契約継続予定)
平成7年度より高知市と委託契約済み
平成8年度より土佐市と委託契約済み
平成9年度より南国市と委託契約済み
平成12年度よりいの町と委託契約済み
平成29年度より佐川町と委託契約済み
平成30年度より田野町と委託契約済み
(2)防火訓練(毎月)
年1回防災訓練かそれに代わる防災行事をおこなう。
年1回は風水害に対する訓練をおこなう。(5月を予定)
年1回は防犯に関する訓練をおこなう。(9月を予定))